メンタル不調者への職場の対応と4つのケア

Grace心理カウンセリング代表・心理カウンセラーの幸田です。

今回は、職場におけるメンタル不調者への対応と4つのセルフケアについて解説をしていきたいと思います。

目次

メンタル不調による休職または退職した労働者の状況

労働安全衛生調査(実態調査)が行った、令和元年 11 月1日から令和2年 10 月 31 日までの期間(過去1年間)の結果によりますと、メンタルヘルス不調により連続1ヵ月以上休業した労働者又は退職した労働者がいた事業所の割合は 9.2%、このうち、連続1か月以上休業した労働者がいた事業所の割合は 7.8%、退職した労働者がいた事業所の割合は 3.7%となっています。
また、メンタルヘルス不調により連続1か月以上休業した労働者の割合は 0.4%、退職した労働者の割合は 0.1%となってなっています。

職場におけるメンタルヘルス対策の状況

メンタルヘルス対策に取り組んでいる事業所の割合は 61.4%と半数以上が取り組んでいます。
メンタルヘルス対策に取り組んでいる事業所の取り組み内容は、
・労働者のストレスの状況などについて調査票を用いて調査(ストレスチェック)62.7%
・職場環境等の評価及び改善(ストレスチェック後の集団(部、課など)ごとの分析を含む)55.5%

となっています。

なぜメンタルヘルス対策に取り組まないのか?

61.4%の事業所がメンタルヘルス対策に取り組んでいることに対し、メンタルヘルス対策に取り組んでいない事業所もあります。

メンタルヘルス対策に取り組んでいない理由
・該当する労働者がいない
・取り組み方が分からない
・必要性を感じない
・専門のスタッフがいない
・経費がかかる

当カウンセリングでは、このようなお悩みを解決し安心してカウンセリングを受けていただく事が出来ます。


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予防と早期発見・対策が重要です。

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メンタル不調者への対応

事業主は、労働者が安全な環境下で働けるようにする管理監督責任があります。
「気になる社員がいる」と思いながらも、何の手立ても無く放置した結果、うつ病などで休職になれば、「予見できた可能性を無視した」と、責任を問われる可能性があります。
上司や同僚が異変に気付いた段階で声をかけ、メンタル不調の発症を未然に防ぐ事が求められます。

メンタルに不調をきたしているかの見極め方
部下や同僚に対して異変を感じた時は「以前と違う点」を挙げてみましょう。
勤務中という限られた時間で多くの情報を把握することは難しいですが、ポイントは勤怠状況、業務の遂行能力、表情や態度、身だしなみなどです。
出勤状況
・以前に比べて出勤時間が遅くなる(ギリギリの出勤)
・遅刻が増える
・休み明けの当日欠勤が多い
など・・・

身だしなみ
・髪が整えられていない
・服にシワがあり汚れている
・全体的に不衛生な印象を受ける
寝癖や、取れかけのボタン、汚れた靴など…

業務の遂行能力
・仕事の進み具合が以前に比べて遅くなった
・判断能力が落ち、以前には無かったミスが増えた
・依頼された仕事の存在自体が記憶から欠落している
など・・・

表情や態度
・笑顔が消え、顔付きに生気がない
・能面のような顔、思いつめた表情
・「忙しい」「お腹が空いていない」などと、昼食を抜く
・イライラしていることが増えた
・感情が不安定(急に怒り出す、泣くなど)
・常に疲れた様子
など・・・

このような変調に気付いた時の対応

1)まずは声をかけましょう
「疲れているようだけど、何かあった?」など声掛けしてください。

2)相手の話を聴きましょう
「実は…」と話してくれれば良いですが、そう簡単に自分の内面や弱さを見せる人はいません。
真面目な人ほど「弱っている自分」を悟られないようにするものです。
重要なのは、人事労務の担当者や、管理者である上司に対して、「 カウンセリング 」 や 「 解決案 」 を求めていないということです。
必要なのは「今、何が辛いのかを聴く」という役割です。

ここで注意してほしいのが、「こういう方法は?」「こうしよう!」という提案は不要です。また、「気晴らしに」と飲みに誘うのは、余裕がある時は気分転換になりますが、苦しんでいる時には、その時間さえもが苦痛となり、拘束された事により余計な疲労感を与えかねません。

3)専門家につなぐ
明らかに体調が悪そうな時、業務に支障が生じている時は、部下の健康を守る為にも、早めに受診させましょう。
「病院に行くほどのことではない」「病院に行っても何を話したらいいのか… 」など、本人が『受診する意義』を見出せていないこともあります。上司は部下の労務上の管理をする為に受診の指示を出しましょう。
専門家に繋ぐことは『病気を疑っている』のではなく、相手を心配しての提案である事を伝えるとスムーズでしょう。

企業の中に専門家が居れば良いですが、素人が間違えた対応をしてしまうと、メンタル不調が悪化し、うつ病などの精神疾患、休職や退職に繋がりかねません。
しっかりとした知識をもった専門家へ相談しましょう。


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メンタルヘルスの4つのケア


職場のメンタルヘルスケアの指針として、厚生労働省は「職場における心の健康づくり〜労働者の心の健康の保持増進のための指針〜」を公表しています(2006年に策定・2015年改正)。この指針では、事業者に対して労働者のメンタルヘルスケアを目的とした「心の健康づくり計画」を作成・実施することを求めています。
この計画を実施するためには、「4つのケア」が重要とされています。

1)セルフケア
セルフケアとは、労働者自身がストレスや心の健康について理解し、自らのストレスを予防、軽減、あるいはそれに対応することです。年に1度実施されるストレスチェックの結果から、自身のストレスの状況を把握し、事業場内の産業保健スタッフや事業場外資源による支援を受けることが推奨されています。
事業者は、労働者がこのようなセルフケアが行えるように、教育研修や情報提供などの支援をすることが重要です。また、管理監督者にとってもセルフケアは重要であり、事業者はセルフケアの対象として、管理監督者も含める必要があります。

2)ラインケア
ラインケアとは、経営者や管理監督者が中心となり、職場の環境の整備を行ったり、労働者の相談を受けたりすることです。
事業者は、労働者のメンタル不調が疑われた場合には、事業場内の産業保健スタッフにサポートを依頼できる体制にすることが重要です。

3)事業場内産業保健スタッフによるケア
事業場内産業保健スタッフによるケアとは、産業医や産業保健師など、事業場内に所属する医療専門職や衛生管理者、産業カウンセラー、メンタルヘルス推進担当者などにより実施されるケアのことです。

4)事業場外資源によるケア
事業場外資源によるケアとは、医療機関(精神科医や心理カウンセラーなど)やEAP(従業員支援プログラム)などを指します。
セルフケアの一環としての保健指導や、ラインケアのセミナーの開催などをしてくれます。

上記4つのケアが適切に実施されるよう、関係者が相互に協力して取り組みを進めることが効果的とされています。

メンタルヘルス対策の重要性

メンタルヘルス不調の主な原因

企業は今まさに、メンタルヘルス対策に真剣に取り組む必要があります。なぜなら、メンタルヘルスに不調を抱えている社員は、休職・離職に繋がってしまう可能性が高いからです。

また、こういったメンタルヘルスによる休職・離職が背景にあって、2015年12月から労働者が50人以上いる事業所には「ストレスチェック」が義務化されています。

ストレスチェックとは「労働安全衛生法」という法律が改正されて、労働者が 50 人以上いる事業所では、2015 年 12 月から、毎年1回、この検査を全ての労働者に対して実施することが義務付けられました。

従業員のメンタルヘルス不調が引き起こすこと

上記ではメンタルヘルスによる休職・離職についてお話いたしましたが、職場から社員が離れてしまうだけでなく、業績が低下するという問題もあります。なぜなら、メンタルヘルスの不調は脳の機能の低下をもたらし、集中力や判断力を鈍らせてしまうからです。メンタルヘルス不調に陥った社員が増えてしまうと、企業全体としての機能が低下してしまうことになります。

ただ、メンタルヘルス不調に陥っているかどうかは見た目には分かりません。従って、企業全体として対策を行うことが大事なのです。

メンタルヘルス対策は予防が重要

メンタルヘルス不調の社員を増やさないためには、予防が重要となります。一度メンタルヘルス不調に陥ると、長期に職場を離れる可能性があるからです。

例えば、長期休業者・離職者が出ると、職場を離れた社員の穴埋めが必要です。そうなると、採用コストが発生したり、他の社員にしわ寄せが行くことになり、企業にとっては大きな負担となります。

まずは、メンタルヘルス不調に陥る社員を出さないように、メンタルヘルス予防に力を入れる必要があります。


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辛い時、悩みを抱えたとき、心の病気かもしれないと思う時など、どうして良いのかわからなくなってしまうかもしれません。こんな時、話を聞いてもらい張りつめた心を緩めましょう。

相談しても解決しないと思ったり、相談するのは恥ずかしいと感じたりするかもしれません。でも、勇気をもって相談することで、第一歩を踏み出すことができます。

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